医療機関における雇用・解雇の留意点

心地よい秋風も,近頃は肌に冷たく感じることがある今日この頃,皆様いかがお過ごしですか。
さて,今回のコラムでは,2018年12月20日に開催を予定しております,医療機関向けセミナーで取り扱う【医療機関における雇用問題】について,ほんの一部ですがお話ししたいと思います。
 
 医師が独立開業した場合,看護師,事務員なしでクリニックを運営することはほぼ不可能です。また,診察科目・件数を拡大する上では,医師の雇用も検討する必要が生じます。そのため,開業医となった場合,スタッフ(医師,看護師・事務員等のコメディカル)の雇用問題を回避することは出来ません。
病院・クリニックの労務問題・従業員問題も,労働基準法の適用がある以上,他企業と大きな違いはありません。しかしながら,医師・看護師は医療における有資格者として得がたいスキルを有していることから,得がたい人材の雇用問題として,雇用関係の開始・終了(解雇も含みます。)において,事実上特別な配慮が必要なように思えるところもあります。
 
 そのため,本稿では雇用契約の開始・終了における注意点を,一部説明したいと思います。
 
 

①採用の際に注意すべきこと

 これは,求人に応募してきた方のどこに着目すべきか,という話です。雇用関係においては,雇用条件・就労環境等,雇用者側にてコンプライアンスを行っていないが故に生じる法的問題を巡るトラブルもありますが,一番問題になりやすいのは,従業員間の人間関係を巡るトラブルです。これについては,経営者である医師がどれだけ調整に尽力しても限界が来ることがありますので,可能な限り回避する方策を尽くす必要があります。 
 この点,能力があっても人的調整能力に乏しい方は,数年単位で転職を繰り返していることがままあります。そのため,履歴書の職歴をチェックし,転職を繰り返している方については,その事情を調査する必要があります。また,前の職場で孤立していなかったか,ということも重要なチェック事項になります。(従業員には雇用者の経営方針に従ってもらう必要がある以上,面接においては雇用者との相性も重要な判断要素です。そのため小規模のクリニックにおいては,面接段階で経営者である医師自身が面接を行うべきと考えます。)
 

②解雇はあくまで最後の手段

 サボタージュなどによる懲戒を検討されているとしても,いきなり解雇を検討することは,解雇を行った際に被用者からなされるであろう防御(労基署への相談,労働審判・裁判等の法的手続など)およびこれらがもたらす職場内外のイメージ等の低下を考えると,医療機関の円満な経営という観点からは好ましくありません。(有罪判決を受けたなど,客観的に明らかな懲戒事由がある場合は別ですが。) 
 そのため,懲戒事由によっては,諭旨解雇ないし自己都合退職などの,穏便な手段によって退職してもらうことも検討すべきです。その場合も,懲戒解雇を最終的なゴールとする場合と同様懲戒事由についてきちんと証拠を積み上げる必要があります。 
 私が相談を受けた中には,従業員から村八分を受けた方につき,そのまま経営者が懲戒解雇としてしまい,法的に懲戒解雇を正当化する理由がなかったため,私が経営者を説得の上,その方に平謝りしてなんとか退職を受け入れてもらったということもあります。(これが労働審判等に移行した場合は,職場復帰を命じる判断が出された可能性が大でした。)
 そのため,円満な医療機関経営のためにも,退職をしてもらう際はできる限り穏便な方法をとる必要があります。
 
 冒頭でもお話しました,今回のセミナーでは,雇用関係における法的な問題点についてはもちろん,効率的な雇用方法について講師の方をお招きしてお話しさせていただきますので,興味がございましたら,出席していただけると幸いです。

医療セミナーに関して詳しくはこちらをご覧ください。
 

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