医療コラム②医療機関における働き方改革への対応

 去る6月29日,働き方改革法案が参議院で可決され,成立しました。
 
 医師については,質の高い医療の確保との兼ね合いから,法の施行から5年間猶予期間が設けられていますが,コメディカルに対する猶予期間は定められていません。
 
そのため,多くの個人クリニック等,中小企業とされる医療機関に対し,コメディカル限定ではありますが,2020年4月から労働時間に関する規定が適用されることとなります。よって,今から労働時間の見直しをしなければならないことは他の一般企業と同様です。
 
医療機関においては,応召義務を果たすために,一般企業よりもはるかに残業時間が長くなり易い傾向があります。正規職員における1週間の労働時間が60時間を超えるものは雇用者全体では14%であるにもかかわらず,医師は41.8%と群を抜いています。

そのため,この長時間労働に起因する医師の心身の不調は深刻な問題となっています。また,このような医師の心身の不調により医療過誤が生じやすくなるという問題もあります。そして,過労死等,重大な結果にならずとも,残業代の支払いや,労基署からの指導への対応,および,過重労働から免れるための離職等がなされることによる人員減少等,医療機関の業務遂行に対する影響は甚大です。

働き方改革では,労働時間の上限を設けております。原則月45時間,年360時間という上限です。そのため,週休2日とした場合,1日あたりの残業時間は2時間を切ることになります。

そして,医師の働き方改革においては,上記労働時間の上限をそのまま当てはめないとしても,具体的な取組内容として,
①医師の労働時間管理の適正化に向けた取り組み,
②36協定の自己点検,
③既存の産業保険の仕組みの活用,
④タスク・シフティング(業務移管)の推進,
⑤女性医師などに対する支援,
⑥医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取り組みがあげられております。
特に,①~③については,現行の労働法制で求められていることを確実に実施することを求めるところもあり,現行規制の厳格化につながるといえます。
 
また,この管理対象となる労働時間には,研修時間,仮眠時間,および,宅直・オンコール当番の待機時間も含まれうることから,労働時間の制約については形式的にではなく,実質的に検討する必要があります。現行法下においても,上記時間が労働時間に含まれるとの指導が労基署からなされ,多額の残業代(合計数億円)を支払うことを余儀なくされた医療機関は多数あります。
 
このような状況に対し,医療機関としては,労働環境の整備が焦眉の急となりますが,応召義務をはじめとした医療の質の確保のための各制度との調整を図る必要があります。

そのためには,一人あたりの労働時間が限られることから,以下の対策を講ずることが必須といえます。
①運営の効率化(コメディカルとの事業分担,指標の策定,ICT活用)
②変形労働時間制,非正規雇用の労働条件改正等,労働法上の制度の利用
③応召義務そのものとの調整

弊所では,平成30年8月2日(木曜日)15時から,ホルトホール2階セミナールームSにて,上記の働き方改革に関する問題を踏まえた,現在の過重労働,賃金未払いの問題とその対策についてセミナーを開きます。(参加料は無料です。)

ご興味がおありでしたら,遠慮なく弊所までお問い合わせください。(直前の参加申し込みにも対応いたします。)
 

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