医療コラム①外国人の医療費未払い問題について

 先日(平成30年4月27日)、自民党のプロジェクトチームから、医療費の未払いを繰り返す外国人の入国拒否が提言されたことを受け、外国人の医療費未払い問題についてお話しします。

日本への外国人旅行者は、日本政府観光局によると、平成29年度の旅行者は2869万人にもおよび、過去最高とされた前年度からさらに、約465万人増加しております。
 厚生労働省が昨年医療機関を対象に行った調査によると、回答した医療機関の35.8%に当たる486の医療機関が、外国人による医療費の未払いを経験しているということです。
 この外国人による医療費の未払いの原因としては、医療費が高額で支払えない(旅行保険に加入していない場合が多い)こと、ないし、医療機関側に外国人旅行者等を受け入れる体制が整っていないことがあげられます。この外国人の未払い医療費については、補填を行っている自治体(東京都等8都県)もありますが、残念ながら大分県では補填が行われていません。

医療機関としては応召義務(医師法第19条)との関係から、患者が診療前から治療費を支払われないことを明言しているなどの特殊な事情がない限り(その場合でも、放置すれば患者の生命・健康に重大な危険が及ぶことが明らかであり、患者が繰り返し治療を求めた場合に、治療を拒否することは、医師法第7条2項「医師としての品格を損するような行為」があったとして、戒告・3年以内の医業の停止・免許の取り消しがされる可能性があります。)、旅行保険未加入等で支払能力がないとしても治療行為を行わなければならないという問題があります。
(今回の自民党のプロジェクトチームの提言でも、「繰り返し」医療費の未払いをする外国人についてのものですので、外国人の医療費未払い問題がなくなるわけではありません。)
 外国人の医療費未払いが生じた場合、訴訟提起・強制執行等の法的手続は極めて困難です。
(交通事故等、加害者がいる場合は加害者等に請求する方法があります。)このことは、日本人であっても、所在不明となってしまった患者さんに対する請求と同様です。

当事務所では、外国人旅行者を受け入れる医療機関として注意すべき事項について、ご相談に応じさせて頂きますので、気になる方はいつでもご相談ください。

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