最新!新立法・改正情報①障害者に対する合理的配慮


 障害者に関する立法が施行されて半年が過ぎましたが、もう職場での周知はお済みですか?

 「障害者がうちと何か関係あるの」という方がいらっしゃれば、関係大有りなので、是非、今回のニュースレターを読んで「合理的配慮」という単語だけでも覚えていただければ幸いです。
 
 
 3年前の6月に障害者差別解消法が制定されました。また、あわせて障害者雇用促進法が改正されました。この立法のポイントが合理的配慮義務です。
 
 
 法律はややこしい書きぶりになっているので、簡単にポイントを整理します。事業者は、障害者が生活する上で不便なことを取り除いてほしいと求め、その不便さを取り除く負担が重すぎるものでなければ、その不便さを取り除く(努力)義務を負うことになりました。
 
 
 例えば、あなたが経営する飲食店に車椅子のお客さんが来た場合、そのお客さんが店の入口の段差を乗り越えられずに「ちょっと車椅子で入るのを手伝ってくれませんか」などと従業員にお願いしたとします。この場合、車椅子を押して段差を超えさせる程度のことは、普通、さほど重たい負担ではないので、あなたは、従業員に指示して、車椅子を押すといった配慮をする努力義務を負います。
 
 
 これとは別に、あなたが経営する会社の事務所に車椅子の従業員がいるとします。この従業員の机が事務所の奥の方にあって、そこに行くのに、電気コードが走っていたり、他の従業員の机があったりしてとても大変だとします。この場合、車椅子の従業員が、「出入り口に一番近い従業員と席を入れ替えてほしい」などとお願いされたら、事業者としては、やはりそこまで重たい負担ではないので、そのお願いを聞き入れる義務が生じることになります。
この例で、配線工事を要求されたり、より小さな机に買い替えるように要求されたりした場合はどうでしょう。このようなことは、お金も手間もかかりますので、会社の規模等から見て重すぎる負担になるのであれば、配慮をする義務はないということになります。
 
 
 このように、合理的配慮とは、障害者がより生活しやすい社会を、無理なく実現するための配慮に他なりません。今後、雇用の分野を中心に、合理的配慮をしなかったために、紛争が生じるということも考えられなくはありません。法律は既に施行されていますので、合理的配慮という言葉を頭の隅に置いておくことをお勧めします。

(執筆 弁護士田中良太)


 
 

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