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経営者・人事担当者向けセミナー 第2部 合理的配慮って何だ?

第1 本日の目標

  合理的配慮という単語を頭の片隅に記憶すること。
 

第2 本日のテーマ

 1 どのようなときに合理的配慮をしなければならなくなるか。
 2 合理的配慮をしない場合のデメリット,する場合のメリット
 3 合理的配慮の具体的事例と注意点
 

第3 どのようなときに合理的配慮をしなければならなくなるか。

 1 障害者差別解消法について

 (1) 条文

8条2項 ①事業者は,その事業を行うに当たり,②障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障害者の権利利益を侵害することとならないよう,③当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。
 

 (2) 解説

 ア 事業者(2条7号)
 イ 障害者(2条1号)・・・・・・手帳等の有無等は関係ありません。
 ウ 配慮の意思の表明 ・・・・・・配慮が必要と主張すること。黙示の主張も含む。
 エ 非過重負担・・・・・・事業への影響,実現可能性,費用負担の程度,事業規模,財務状況,公的支援の有無等を総合考慮。過重な要望であっても,非過重な対案を示さなければならない。
 オ 社会的障壁・・・・・・障害者が日常生活や社会生活を営む上で障壁になるような,事物,制度,慣行,観念その他一切のもの。
 

 (3) 小活

①事業者は,②障害者から,③求められた場合には,④負担が重すぎなければ,⑤配慮する努力義務を負う。
 

2 障害者雇用促進法

 (1) 条文

36条の2  ①事業主は,労働者の募集及び採用について,障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となつている事情を改善するため,②労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により③当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。ただし,事業主に対して④過重な負担を及ぼすこととなるときは,この限りでない。
 
36条の3  ①事業主は,障害者である労働者について,障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するため,その雇用する障害者である労働者の障害の特性に②配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備,援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない。ただし,事業主に対して③過重な負担を及ぼすこととなるときは,この限りでない。
 

 (2) 解説――障害者差別解消法との違い

ア 採用後の労働者である障害者には,障害者の申出がなくても,配慮を要する。
イ 障害を持つ労働者から意見を聴取すること,相談体制の整備も必要なこと。(36条の4)
ウ 努力義務ではなく,法的義務であること。
 

第4 合理的配慮にまつわるデメリット,メリット

 1 合理的配慮を払わないことによるデメリット

 (1) 障害者雇用促進法上の義務違反は,不法行為と認定されるなど,具体的な裁判上の請求を受けて,負ける可能性がある。
 (2) 都道府県労働局長に通報される,調停を申し立てられるおそれがある。
 (3) 障害者差別解消法上の義務違反は,主務大臣への通報で,調査,指導,勧告受ける可能性がある。

 2 合理的配慮を払うメリット

 (1) 企業のイメージアップ,顧客の増加,クレームやネット炎上からの防衛。
 (2) 助成金を利用しつつ,スキルの高い労働者を雇えるかも。ただし平成29年に雇用に関する助成金制度が大幅に統廃合される予定なので注意。
 

 3 小活

合理的配慮を払うことは当然,企業に一定の負担を強いることになる。しかし,損害賠償の負担や企業イメージの低下,契約上のリスク増,業務の非効率化といったデメリットの影響を抑え,企業のイメージを良くして,市場を広げ,助成金を利用しながら,スキルの高い労働者を雇うことができるメリットがある。
 

第5 具体的事例

1 CDショップに来店した視覚障害者から注文書の代筆をお願いされるケース。
  合理的配慮義務を負うか?
 
2 前記1の状況で,視覚障害者が店中のCDのタイトルを読み上げてほしいとお願いされるケースはどうか?
 
3 発達障害が疑われる人からのインターネット回線契約を申し込まれたケース。
    合理的配慮義務を負うか?どのような配慮が考えられるか?
 
4 事務職員が車椅子で勤務することになったケース
  合理的配慮義務を負うか?解雇できるか?どのような配慮が考えられるか?
  配慮する場合に注意しなければいけないポイントは?
 
5 メンタル不調ないし精神障害を抱えた従業員に対応するケース。
  合理的配慮義務を負うか?
  どのような配慮が考えられるか?
  配慮する場合に注意しなければいけないポイントは?
  逆差別ではないのか?
 

第6 まとめ

 1 合理的配慮義務は企業に課された(努力)義務。知らないでは済まされない。
 2 どうせ負わされる義務ならば,企業の利益に変えていく方策を考えた方が得。
 
 

セミナー実績

開催日時 セミナー内容(クリックで詳細に飛びます。)
2018.07.12 バイク事故を巡る知っておくべき交通事故対応セミナー
2017.10.29 治療院向けセミナー 患者・スタッフ満足度UP 生産性向上経営実現セミナー
2017.10.24 保険代理店向けセミナー 相続セミナー
2016.11.15
2016.11.15 経営者・人事担当者向けセミナー 第1部 パワハラ・セクハラセミナー
2016.10.08 保険代理店向けセミナー ~人身事故 損害額の考え方~
2016.08.28 交通事故患者対応セミナー
2016.04.27 メンタルヘルス徹底対処法セミナー ~メンタルヘルス編~
2016.04.27 メンタルヘルス徹底対処法セミナー ~セクハラ編~
2015.05.20ほか マイナンバー制度 ~事業者の法的リスクと対策~
2015.02.28ほか 真の被害者救済交通事故業務改革セミナー2015
2014.11.16 全国の交通事故分野での注目事務所によるパネルディスカッション
2014.02.08 医療現場におけるクレーム対応の実務
2013.12.21 中小企業経営者に対する問題社員への対応アドバイスの仕方
2013.08.10 医療保護入院をめぐる法律問題
2013.07.20
2013.04.23 安全配慮義務違反と使用者責任
2012.12.21 企業経営における労務管理の重要性について
2012.11.24 精神保健福祉士と弁護士との連携について
2012.02.02 原発事故の損害賠償請求について(事業者向け)
2012.12.08 原発事故の損害賠償請求について(事業者向け)
2012.10.12 原発事故の損害賠償について(個人向け)


 

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