寄与分とは?
認められる要件と計算方法を弁護士が解説

「10年間、一人で親の介護をしてきた」「家業を無償で手伝い、財産を守ってきた」——それなのに、遺産は他の兄弟と平等に分けるだけ。そんな不公平を是正できるのが「寄与分」の制度です。

寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別な貢献をした相続人の取り分を増やす制度です。介護・家業への従事・資金援助などが対象になります。

このページでは、寄与分が認められる要件・計算方法・立証に必要な証拠について弁護士が解説します。

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寄与分とは|貢献を取り分に反映する制度

寄与分とは、共同相続人の中に、被相続人の事業を手伝ったり療養看護をしたりして、被相続人の財産の維持・増加に「特別の寄与」をした人がいる場合に、その貢献分を相続分に上乗せする制度です。

特別受益が「他の相続人の取り分を減らす」制度なのに対し、寄与分は「自分の取り分を増やす」制度です。

💡 寄与分が認められると、遺産から寄与分を先に取得した上で、残りを法定相続分で分けます。介護などの貢献が正当に評価されます。

寄与分が認められる5つの類型

類型内容立証のポイント
療養看護型被相続人の介護を行い、施設費用等の支出を免れさせた介護の期間・内容・要介護度。ヘルパー不使用の証明
家業従事型家業(農業・自営業等)に無償または低報酬で従事した従事期間・労働の内容・受け取った報酬額
金銭出資型被相続人の事業資金・借金返済等に資金提供した出資の事実・金額(振込記録等)
財産管理型被相続人の不動産管理・賃貸経営を代行した管理の内容・期間・専門家に頼んだ場合の費用
扶養型被相続人を扶養し生活費の支出を免れさせた扶養の期間・負担した費用
⚠ 寄与分が認められるには「特別の寄与」が必要です。通常の親族間の助け合い(同居の配偶者の家事・軽微な世話など)の範囲では認められにくいです。「特別」といえる程度の貢献が必要です。

寄与分が認められる4つの要件

要件内容
① 相続人による寄与寄与をしたのが相続人であること(相続人でない親族は「特別寄与料」制度を利用)。
② 特別の寄与通常期待される程度を超える「特別の」貢献であること。夫婦・親子間の通常の扶助の範囲を超える必要があります。
③ 無償性原則として無償または著しく低い対価での貢献であること。相応の報酬を受けていた場合は認められにくいです。
④ 財産の維持・増加との因果関係その貢献によって被相続人の財産が維持・増加したこと。介護で施設費用の支出を免れた等の因果関係が必要です。

寄与分の計算方法

寄与分の金額は類型によって計算方法が異なります。ここでは代表的な「療養看護型(介護)」の計算方法を説明します。

療養看護型(介護)の計算式
寄与分額 = 介護報酬相当額(日当)× 介護日数 × 裁量割合(0.5〜0.8程度)
【計算例】3年間(約1,000日)自宅で介護し、介護報酬日当を8,000円と評価した場合
寄与分額 = 8,000円 × 1,000日 × 0.7 = 560万円

【全体の取り分計算】遺産3,000万円・相続人が長女(介護)と次女・寄与分560万円
① 寄与分を除いた遺産 = 3,000万円 − 560万円 = 2,440万円
② 各自の法定相続分(各1/2)= 2,440万円 × 1/2 = 各1,220万円
③ 長女の取り分 = 1,220万円 + 560万円(寄与分)= 1,780万円
④ 次女の取り分 = 1,220万円
💰 寄与分がなければ各1,500万円だったので、長女は280万円多く取得できます。

寄与分の立証に必要な証拠

寄与分を主張するには、貢献の事実を証拠で立証する必要があります。日頃から記録を残しておくことが重要です。

  • 介護日誌・介護記録(日付・内容・時間を記録したもの)
  • 要介護認定の資料(主治医意見書・認定調査票)
  • 診断書・カルテ(被相続人の状態を示すもの)
  • ヘルパー・施設を利用していなかったことの証明
  • 家業の帳簿・給与台帳(家業従事型の場合)
  • 資金提供の振込記録・領収書(金銭出資型の場合)
  • 写真・日記・メール・親族の証言
💡 寄与分は立証が難しく、相手方が認めないことも多いです。記録が不十分でも、弁護士が周辺証拠を積み重ねて主張を組み立てます。まずは相談してください。

弁護士に依頼するメリット

メリット内容
寄与分額の適正な算定介護日数・報酬相当額・裁量割合を踏まえ、認められやすい寄与分額を算定します。
証拠の収集・整理介護記録・医療記録等を収集・整理し、説得力のある主張を組み立てます。
相手方への主張・交渉寄与分を認めない相手方に対し、証拠に基づいて主張・交渉します。
調停・審判への対応協議で解決しない場合、遺産分割調停・審判で寄与分を主張します。

よくある質問

同居して親の面倒を見ていました。寄与分は認められますか?

同居して世話をしていた程度では「通常の親族の助け合い」とされ、寄与分が認められにくい傾向があります。ただし、要介護状態の親を専業で介護し、施設入居やヘルパー費用の支出を免れさせたような場合は「特別の寄与」として認められる可能性があります。介護の内容・程度が重要です。

介護の記録を残していませんでした。寄与分を主張できませんか?

記録がなくても、要介護認定の資料・医療記録・親族の証言など周辺の証拠から立証できる場合があります。ただし記録があった方が有利なのは確かです。証拠が不十分でも諦めず、まず弁護士に相談してください。

長男の嫁が介護をしました。嫁に寄与分は認められますか?

長男の嫁は相続人ではないため、寄与分は認められません。ただし2019年の民法改正で「特別寄与料」制度が新設され、相続人でない親族(長男の嫁等)も一定の要件で金銭を請求できるようになりました。詳しくは特別の寄与(特別寄与料)制度ページをご覧ください。

寄与分と特別受益の両方を主張できますか?

できます。自分の寄与分を主張しつつ、他の相続人の特別受益(生前贈与)も同時に主張することで、取り分を最大化できます。両方を組み合わせた戦略を弁護士が立てます。

相手が寄与分を認めません。どうすれば?

協議で認められない場合は、遺産分割調停・審判で寄与分を主張します。調停委員・裁判官に対し、介護記録・医療記録等の証拠に基づいて貢献を立証します。弁護士が証拠を整理して主張を組み立てます。

「介護を頑張ったのに報われない」
その思いは、寄与分で評価される可能性があります。

ただし寄与分は立証が難しく、専門的な主張が必要です。

大分みんなの法律事務所では、初回相談(無料)であなたの貢献の内容を確認し、寄与分の主張が可能かをお伝えします。証拠の整理から調停・審判まで一貫して対応します。

✅ 初回相談無料 / 寄与分額の算定・証拠整理をサポート / 調停・審判まで一貫対応 / 特別受益との併用も可能 / 大分県全域 / 法テラス利用可

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