相続登記の義務化で何が変わったか——3分で分かる基礎知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相続登記とは | 不動産(土地・建物)の所有者が亡くなった際に、法務局で名義を相続人に変更する手続き。 |
| 義務化の施行日 | 2024年4月1日〜(不動産登記法改正) |
| 新規相続の期限 | 相続を知った日から3年以内 |
| 過去の未登記の期限 | 2027年3月31日まで(経過措置) |
| 罰則 | 正当な理由なく怠ると10万円以下の過料(行政罰) |
| 申請先 | 不動産所在地を管轄する法務局(登記所) |
| 誰が手続きするか | 相続人本人(または代理人の弁護士・司法書士) |
| 相続登記の担当専門家 | 司法書士(登記申請)。弁護士(遺産分割協議書作成・交渉)。当事務所は両者が連携対応。 |
▶ 義務化の詳細・相続人申告登記はこちら → 相続登記の義務化
相続登記は「7ステップ」で完了します
| STEP | 手続き名 | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|---|
| STEP 1 | 相続人の確定 | 被相続人の出生〜死亡までの戸籍謄本を収集し、法定相続人の全員を確定します。弁護士または司法書士が代行収集可能。 | 1〜2週間 |
| STEP 2 | 相続財産の調査・登記確認 | 登記事項証明書(登記簿謄本)を法務局で取得し、対象不動産の権利関係・抵当権の有無を確認します。固定資産評価証明書も取得。 | 数日 |
| STEP 3 | 遺産分割協議 | 相続人全員で誰が不動産を取得するかを合意します。弁護士が協議書を作成(または交渉・調停対応)。 | 数日〜数ヶ月 |
| STEP 4 | 遺産分割協議書の作成 | 合意内容を遺産分割協議書に記載。全員の署名・実印・印鑑証明書が必要。弁護士が作成。 | 数日〜1週間 |
| STEP 5 | 登記申請書類の準備 | 提携司法書士が登記申請書・委任状・添付書類一式を準備します。収集した書類との整合も確認。 | 1〜2週間 |
| STEP 6 | 法務局への申請 | 提携司法書士が管轄法務局に登記申請書を提出(窓口または郵送またはオンライン申請)。 | 申請当日 |
| STEP 7 | 登記完了・登記識別情報の受領 | 登記完了後、「登記識別情報通知書」(旧権利証に相当)が発行されます。名義変更完了です。 | 申請後1〜2週間 |
相続方法によって必要書類が異なります——チェックリストで確認
共通書類(方法を問わず全員必要)
| 書類名 | 入手先・注意事項 |
|---|---|
| □ 被相続人の出生〜死亡までの連続した戸籍謄本 | 本籍地の市区町村役場。複数の本籍地がある場合は全て収集。 |
| □ 被相続人の住民票除票(または戸籍附票) | 最後の住所地の市区町村役場。登記簿上の住所と一致の確認に使用。 |
| □ 相続人全員の現在の戸籍謄本 | 各自の本籍地の市区町村役場。 |
| □ 不動産の登記事項証明書 | 対象不動産を管轄する法務局。オンラインでも取得可。 |
| □ 固定資産評価証明書(最新年度) | 不動産所在地の市区町村役場。登録免許税の計算に使用。 |
| □ 登記申請書 | 司法書士が作成。 |
遺産分割協議による場合(追加書類)
- □ 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印・印鑑証明書付き)→ 弁護士が作成
- □ 相続人全員の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- □ 不動産を取得する相続人の住民票(最新のもの)
遺言書による場合(追加書類)
- □ 遺言書(自筆証書遺言は検認済証明書付き、公正証書遺言はそのまま)
- □ 受遺者(財産をもらう人)の住民票
- □ 相続人・受遺者の印鑑証明書(相続財産の額に応じて)
法定相続分通りに取得する場合(法定相続登記)
- □ 相続関係説明図(司法書士が作成。戸籍謄本の還付を受けるために使用)
- □ 各相続人の住民票(持分取得者全員分)
相続登記にかかる費用は?——登録免許税の計算方法
相続登記の費用は「登録免許税(国に納める税金)」と「司法書士・弁護士報酬」の2種類で構成されます。
① 登録免許税の計算
登録免許税 = 固定資産税評価額(千円未満切捨て) × 0.4%
- 例:評価額1,500万円の不動産 → 1,500万円 × 0.4% = 6万円
- 例:評価額3,000万円の不動産 → 3,000万円 × 0.4% = 12万円
※ 固定資産税評価額は毎年4〜6月頃に送付される「固定資産税・都市計画税の課税明細書」または市区町村窓口で交付の「固定資産評価証明書」で確認できます。
※ 複数の不動産がある場合は合計評価額で計算します。ただし土地・建物それぞれに登録免許税がかかります。
② 費用の全体目安
| 費用の種類 | 目安金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 評価額×0.4% | 国に納める税金。不動産の数・評価額によって異なる。 |
| 司法書士報酬 | 5〜15万円程度 | 登記申請の代行報酬。不動産の数・複雑さによって異なる。提携司法書士が初回相談時に見積もりを提示。 |
| 弁護士費用(協議書) | 数万円〜 | 遺産分割協議書の作成のみの場合の目安。交渉・調停が必要な場合は別途算定。 |
| 戸籍収集等の実費 | 数千円〜数万円 | 戸籍謄本・住民票・評価証明書などの取得費用。 |
2024年新設「相続人申告登記」——まず過料を回避する暫定措置
「相続人が多くて話し合いがまとまらない」「遺産分割協議が進まない」という場合でも、2027年3月31日の期限は待ってくれません。そのような場合に活用できるのが「相続人申告登記」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の目的 | 遺産分割が整っていない場合でも登記義務を一時的に果たし、過料を回避するための暫定措置(2024年4月新設)。 |
| できること | 「自分が相続人である」という事実を登記所に申告する。登記事項として記録される。 |
| できないこと | 所有権の移転(名義変更)は完了しない。売却・担保設定などには使えない。 |
| 申請資格 | 法定相続人であれば誰でも単独で申告可能(他の相続人の同意不要)。 |
| 費用 | 登録免許税は非課税(無料)。 |
| その後 | 遺産分割が確定した後、改めて通常の相続登記(所有権移転登記)が必要。 |
「自分でできる」ケースと「弁護士・専門家が必要」なケースの見分け方
| 自力・司法書士だけでもOK | 弁護士への依頼が必要 |
|---|---|
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数次相続(相続が重なっているケース)への対応
「祖父が亡くなったが登記せず、その後父も亡くなった」という数次相続のケースは全国に多く存在し、2027年3月31日の期限対象になります。
数次相続では、複数世代の戸籍謄本収集・相続関係の整理・最終取得者の確定が必要で、通常の相続登記より格段に複雑になります。弁護士と提携司法書士の連携で対応します。