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相続放棄の期限:相続開始を知った日から3ヶ月以内

期限を過ぎると借金・債務を全額引き継ぐことになります。「もう3ヶ月を過ぎたかも」という方も、諦めずにまずご相談ください。
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相続放棄の手続き完全ガイド|
期限・必要書類・費用・注意点を弁護士が解説

「親が亡くなり、後から多額の借金が判明した」「消費者金融からの督促状が届いた」——相続放棄を急いで検討しなければならない状況に突然置かれる方は少なくありません。

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産・借金を「一切引き継がない」という法律上の意思表示です。家庭裁判所への申述(申立て)によって行います。重要なのは「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」という期限です。この期限を守れないと、原則として単純承認(全財産と全借金を引き継ぐ)したとみなされます。

トラブル解決 2026年1月15日 公開 読了目安 約8分

相続放棄とは——基礎知識

相続放棄は、被相続人の財産・借金を一切引き継がないという意思表示です。家庭裁判所への申述によって正式に成立します。

✅ 相続放棄でできること

  • 被相続人の借金・保証債務を引き継がない
  • プラスの財産もマイナスの財産も全て放棄
  • 各相続人が単独で(他の相続人の同意なく)できる
  • 理由は問わない(借金がなくても放棄できる)

❌ 相続放棄でできないこと

  • 「借金だけ放棄して財産は受け取る」はできない
  • 一度放棄すると原則として取り消せない
  • 放棄後も相続財産の「管理義務」が残る場合がある
  • 放棄した人の子どもへの代襲相続は発生しない
「借金だけ放棄したい」「不動産は欲しいが借金は嫌だ」という場合は、相続放棄ではなく「限定承認」(プラスの財産の範囲内でのみ借金を負担する)という選択肢もありますが、相続人全員での申立てが必要で手続きが複雑です。弁護士に相談してください。

相続放棄は「6ステップ」で完了します

STEP 1:相続発生と財産・借金の把握

期間目安:相続発生後すぐ/担当:弁護士・本人

被相続人の死亡を確認し、財産(預貯金・不動産)とマイナスの財産(借金・保証債務)の全容を調査します。特に「借金があるかどうか」の調査が最重要です。信用情報機関への照会・郵便物の確認・金融機関への問い合わせなどで調べます。

STEP 2:相続放棄するかどうかの決断

期間目安:3ヶ月期限前に/担当:弁護士に相談

財産調査の結果をもとに、相続放棄が有利かどうかを判断します。「借金 > 財産」であれば相続放棄が有利です。判断が難しい場合・財産調査が3ヶ月以内に終わらない場合は、家庭裁判所への「熟慮期間の伸長申請」を検討します。

STEP 3:必要書類の収集

期間目安:1〜2週間/担当:弁護士・本人

家庭裁判所への申述に必要な書類を収集します。特に戸籍謄本は複数の役所から収集する必要がある場合があり、時間がかかることがあります。弁護士に依頼すると代行収集が可能です。

STEP 4:申述書(相続放棄申述書)の作成

期間目安:数日/担当:弁護士・本人

家庭裁判所所定の「相続放棄申述書」を記入します。裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。弁護士が代理人として作成・提出することも可能です。

STEP 5:家庭裁判所への申述(提出)

期間目安:申述書完成後すぐ/担当:弁護士・本人

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所(大分家庭裁判所など)に申述書・必要書類を提出します。郵送提出も可能です。収入印紙800円(1人あたり)+郵便切手(裁判所ごとに異なる)が必要です。

STEP 6:照会書への回答・受理

期間目安:提出後1〜4週間/担当:本人(または弁護士)

提出後、裁判所から「照会書」が送付される場合があります(相続放棄の意思を確認する質問状)。1〜2週間以内に返送します。その後「相続放棄申述受理通知書」が届き、手続き完了です。「受理証明書」は別途取得可能で、債権者への提示に使用します。

✅ 弁護士に依頼した場合はSTEP3〜6を全て代行します。依頼者がやることは書類への署名・裁判所からの照会書への回答のみになります。

相続人の立場によって必要書類が異なります——完全チェックリスト

共通書類(相続人全員に必要)

書類名入手先・注意事項
□ 相続放棄申述書家庭裁判所の窓口・裁判所HPでダウンロード。800円の収入印紙が必要。
□ 申述人(放棄する人)の戸籍謄本本籍地の市区町村役場。放棄する人が被相続人の子・配偶者の場合。
□ 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本被相続人の本籍地の市区町村役場。
□ 被相続人の住民票除票(または戸籍附票)最後の住所地の市区町村役場。管轄裁判所の特定に使用。
□ 収入印紙 800円(1人あたり)郵便局・コンビニで購入。
□ 郵便切手(裁判所指定額)大分家庭裁判所の指定額(申立て時に確認)。

申述人が「子ども」の場合

  • 被相続人の出生〜死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍を含む)
  • 申述人(子)の現在の戸籍謄本

申述人が「父母・祖父母(直系尊属)」の場合

  • 被相続人の出生〜死亡までの連続した戸籍謄本
  • 被相続人の子(第1順位)が全員放棄したことを証明する書類(各自の相続放棄申述受理通知書)
  • 申述人(父母等)の現在の戸籍謄本

申述人が「兄弟姉妹」の場合

  • 被相続人の出生〜死亡までの連続した戸籍謄本
  • 被相続人の子・直系尊属(第1・第2順位)が全員放棄したことを証明する書類
  • 申述人(兄弟姉妹)の現在の戸籍謄本
⚠️ 戸籍謄本の収集は複数の市区町村・複数の役所に請求が必要なケースが多く、数週間かかることがあります。期限(3ヶ月)が迫っている場合は弁護士に収集を代行してもらうことで、迅速に対応できます。

相続放棄にかかる費用の目安

費用の種類金額の目安内容
収入印紙800円(1人)家庭裁判所への申述時に必要。
郵便切手数百円〜数千円裁判所指定額。照会書の返送にも使用。
戸籍謄本等の実費数千円〜1万円程度取得する通数・市区町村数によって異なる。
弁護士費用数万円〜(1人あたり)申述書作成・書類収集の代行含む。複数名の場合は減額あり。初回相談時に見積もりを提示。
「弁護士費用を払うお金がない」という場合は、法テラス(日本司法支援センター)の審査を通過すると費用の立替制度(法律扶助)が利用できます。弁護士にご相談ください。

「3ヶ月を過ぎてしまった」——諦める前に必ず弁護士に相談を

相続放棄の期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」です。この「知った時」(起算点)の解釈が非常に重要で、状況によっては3ヶ月を過ぎていても相続放棄できる場合があります。

起算点の解釈——「知った時」はいつか

状況起算点の考え方
通常のケース被相続人の死亡を知った日(多くは死亡日当日・翌日)が起算点。
疎遠で死亡を後から知った「死亡の事実を知った日」が起算点。死亡日から3ヶ月が経過していても問題ない。
借金を後から知った場合「財産が実質的にないと信じていた合理的な理由がある」場合、借金を知った日から3ヶ月が起算される(最高裁昭和59年判決)。これにより3ヶ月を過ぎていても認められるケースがある。
第2・3順位の相続人「自分が相続人になったことを知った日」が起算点。第1順位が全員放棄して自分に相続が回ってきた日から計算。

期限が迫っている・過ぎてしまった場合の対処

状況対処法
期限が迫っている(残り数週間)今すぐ弁護士に連絡。弁護士が書類収集・申述書作成を最優先で進め、期限内の申述を目指します。書類が揃わない場合でも申述は可能(後日補正)な場合があります。
3ヶ月を過ぎてしまったかもしれない起算点の解釈次第でまだ放棄できる可能性があります。「借金の存在を知ったのはいつか」「自分が相続人になったのを知ったのはいつか」を弁護士と一緒に確認してください。
熟慮期間の伸長(期限延長)財産調査が間に合わない場合、期限前に家庭裁判所へ「熟慮期間伸長の申請」を行うことで期限を延長できます。弁護士が申請書類を作成します。
単純承認してしまった(財産に手をつけた)相続財産に手をつけてしまうと「単純承認」とみなされ、相続放棄が認められなくなる可能性があります。ただし「処分」の程度・状況によっては放棄が認められる余地もあります。まず弁護士にご相談ください。

放棄したら終わり——ではない。放棄後の注意点4つ

注意事項内容
相続財産の管理義務放棄後も、次の相続人(または相続財産清算人)が財産管理を引き継ぐまで、「自己の財産と同一の注意をもって」管理する義務があります(民法940条)。特に不動産が残っている場合は注意が必要です。
次順位の相続人への通知自分が放棄すると、次の順位の相続人(例:子が放棄→父母、父母も放棄→兄弟姉妹)に相続が回ります。その人たちが「自分に相続が来た」ことを知らないケースがあるため、連絡・説明することがトラブル防止になります。
受理証明書の取得と保管「相続放棄申述受理通知書」は到着後すぐに大切に保管してください。債権者から請求が来た場合などに「相続放棄済み」の証明として提示します。なお「受理証明書」(有料)は別途申請が必要です。
相続放棄の取消・撤回一度受理された相続放棄は、詐欺・強迫があった場合を除いて原則として取り消せません。放棄するかどうかの判断は慎重に。不安な場合は弁護士に相談してから申述してください。

相続放棄に関するよくある質問

相続放棄をすれば借金の督促は止まりますか?

はい。家庭裁判所で相続放棄が受理されると、その時点で法律上「最初から相続人でなかった」とみなされます。受理証明書を債権者に提示することで督促を止めることができます。ただし債権者に提示するまでの間は督促が続く場合があります。受理後は速やかに証明書を取得して提示してください。

相続放棄は3ヶ月以内でないと絶対にできませんか?

必ずしもそうではありません。「相続財産が実質的にないと信じる合理的な理由があった場合」は、借金を知った時から3ヶ月が起算されるという最高裁判例があります。また疎遠だった親族の場合は死亡を知った日が起算点になります。「3ヶ月を過ぎてしまった」と思っていても、諦めずに弁護士に相談してください。

相続放棄したのに督促が続いています。どうすれば良いですか?

相続放棄申述受理通知書(または受理証明書)を債権者に送付してください。それでも督促が続く場合は、弁護士を通じて内容証明で「相続放棄済みのため支払い義務はない」と通知することができます。悪質な督促が続く場合は弁護士にご相談ください。

未成年の子どもも相続放棄できますか?

はい。未成年者の場合、親権者(または特別代理人)が代理して家庭裁判所に申述します。注意点として、未成年者と親権者が同じ相続について放棄する場合、利益相反になるため、特別代理人の選任が必要です(親権者と子が同時に放棄する場合は問題なし)。

相続放棄すると生命保険金はもらえませんか?

被相続人が生命保険の契約者・被保険者で、受取人が「相続人」と指定されている場合は、相続財産ではなく「受取人固有の財産」とみなされるため、相続放棄しても保険金を受け取れます。ただし受取人が「被相続人」と指定されている場合は相続財産となるため、放棄すると受け取れません。

全員が相続放棄すると不動産はどうなりますか?

全ての相続人が放棄した場合、不動産は相続財産法人(被相続人の財産)となります。利害関係人が家庭裁判所に「相続財産清算人」の選任を申立て、清算人が管理・処分します。ただし放棄後も清算人が管理を引き継ぐまでは「管理義務」が残ります。不動産の管理コスト・責任から完全に解放されるには弁護士に相談してください。

「期限が迫っている」「もう過ぎたかもしれない」
——今すぐ弁護士にご相談ください。

相続放棄は時間との勝負です。「相談しようか迷っている」その間にも期限は近づいています。弁護士に依頼することで、書類収集から申述まで最短で数日以内に完了させることが可能です。

大分みんなの法律事務所では、相続放棄の緊急案件を最優先で対応します。初回相談(無料)で状況を確認し、費用の見積もりをその場でお伝えします。「自分でできるかどうか」の判断だけでも構いません。

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